空気清浄はもちろん、 チームの結束にも役立つ?!
「昔サッカーやっていたよね。メンバーが足りないんだけど週末時間ない?」と友人に誘われてフットサルをすることになった。友人が足を痛めたので僕が代わりに出るというわけだ。
フットサルというのはサッカーのミニゲームみたいなもんだろうと思っていたけれど、知れば知るほど違うスポーツだった。
まず、キーパーを除いたフィールドプレイヤーは4人しかいない、ボディコンタクトは基本的に禁止、スパイクを履かない(専用のシューズがある)、ボールがサッカーと比べて重い(弾ませないためだ)。
自己紹介の後、軽くボール回しをして早速、ゲームが始まった。
こちらは社会人、相手は大学生のサークルだという。
女の子も混じっていて、内心は「楽勝だな」と思っていた。
僕が元気だったのはここまでだ。
とにかくフットサルの運動量が半端ない。
サッカーの試合ではずっと走っているということはないが、フットサルはずっと走っているのだ。
どちらかというと、足を使ったバスケットボールに近い。
攻撃と守備がめまぐるしく入れ替わる。
開始から5分で僕は肩で息をしていて、控え選手と交代することになった。
「すごいね、フットサルって……」。
僕が息を切らしていると応援にやってきた友人が笑う。
「バスケとかハンドボール経験者も多いよ。でも、さすが経験者。パス回しがよかった」
「そういやさ、俺たちのチームはみんな白いバンドをしているね」
「あ、そうか。渡すの忘れていたよ。イオニアバンド」
「なにそれ?」
「空気をきれいにするバンドなんだ」
「へー」
友人がプレゼントしてくれた、腕に付け、深い深呼吸をした。
「しばらく休んだら、またゲームに戻ってね」
「え、復帰できるの?」
「フットサルは何度でも交代可能なんだ」
「そうなのか!」
と僕。
よかった。
このまま帰るわけにはいかない。
僕はイオニアバンドを着けた右手を挙げ、疲れている選手に交代をアピールした。
「頑張って!」
友人に背中をぽんと叩かれた。
その時、昔のサッカーに熱中していた頃の気持ちが力強く沸き起こった。