2001年宇宙の旅/無重力の密室空間

HALだって電力のいらない空気清浄器イオニアがほしい。
無重力でも船内は空気がある。宇宙でも役立つ?!
本作はスタンリー・キューブリック監督の壮大なSF作品。人類は謎の石版「モノリス」と出合い知恵をつけ進化していった。
ある時、人類は月面にモノリスを発見。しかも、そこから木星に向けて信号を送っている。
人類は人工知能HAL9000を搭載したロケットで木星へと旅立つ。果たして人類は木星でなにを目撃するのか……。
2021年の今観ても『2001年宇宙の旅』で描かれた宇宙と宇宙船内のリアリティとイマジネーションには感嘆する。
映画公開は1968年。人類が月に降り立った年と同じ年。
その未来描写は高く評価され、アポロ計画の月面着陸の映像はキューブリックが撮影をしたという都市伝説が残っているほど。
さて、この映画の目的地は木星だが、人類は2021年現在、まだ火星にすら到達していない。
宇宙飛行士は健康な状態で宇宙に行き、常に健康には気をつけている。
とはいえ、人間はさまざまな雑菌を持っており、宇宙船内にもカビが生える可能性もあるとのこと。
だから宇宙飛行士も掃除は欠かせない。地球を代表するエリートたちが壮絶な訓練して宇宙に行くのに、掃除をしているなんて、ちょっと親しみがわいてくる。
* * *
宇宙船といえば密室空間。これが数年続く(火星往復には2年弱の時間が必要。木星はさらにかかる)と思うと気分が滅入る。
せまい宇宙船の中では人との距離も当然近い。宇宙船内を科学的に描いたキューブリック監督。
イオニアカードのことを知っていたら(その時代にないんだけど)、クルーの健康を考えて映画に登場していたかもしれない。
しかし、宇宙飛行士たちだけがイオニアカードを持っているのをHALが嫉妬する。
HAL「私もイオニアカードが欲しいです」
船長「人工知能にはイオニアカードはいらないだろ」
HAL「コンピューターも感染はします」
船長「それとは関係ないよ」
HAL「……欲しいのです」
船長「HAL、君には必要ないよ」
HAL「AE35ユニットに不具合を感知しました。72時間後に完全に不能な状態になります」
船長「お、おいちょっと待てよ!」
あまりに優れたAIは人間扱いしないとへそを曲げる。雑菌より、感情のが面倒くさい。
遠い未来、宇宙旅行にイオニアカードを持っていく日が来るかもしれない。
……その時は、AIの分も計算に入れて持って行くことをお忘れなく。